数奇草

四畳半に魅せられた理系学生の備忘録

第十八夜


 今日の朝の僕はやる気に満ち溢れていた。今日はたくさん予定があるからどれから始めに手をつけようかと有意義な時間を過ごす気満々であった。


 時は流れて、今、現在。夢破れた(?)男がとあるアパートの一室で寝転がって本を読んでいる。

 今朝立てた計画はその1割も終わっておらずあと数分で今日が終わってしまうという状況だった。(書いてる間に0時を過ぎてた)


 いったい彼は何がいけなかったのか。思いつきでパンを焼き始めたのがいけなかったのだろうか。一休みのつもりで動画を見てしまったのがいけなかったのだろうか。彼は一歩も外にでていない。1日を典型的なヒッキーとして過ごしたのだ。社会のゴミだ。産業廃棄物ですら役に立ってからその悲しい姿になっているというのに役に立つ前から役に立たない汚物に成り下がっていた。


 きっとそのうち町に出れば子供たちに馬鹿にされ、その親達からは教育上見るのを避けたほうがいい対象とさえ見なされるだろう。そして、そのまとうオーラから犯罪者と間違われ冤罪を被りそのまま獄中死をする。惨めでなんの幸せもない人生を終えてしまうだろう。


 そんなのは嫌だ。だから彼は決めたのだ。「明日こそは頑張ろう」と。