数奇草

四畳半に魅せられた理系学生の備忘録

目まぐるしく過ぎゆく年月

 

 先々週は僕の変化のない大学生活にしてはちょっと刺激的なことがあったのでそれを今日からだらだらと書き連ねたいと思う。

 

 まず、祖父が亡くなって生まれて初めて葬式に参列した。住職が念仏を唱えている中で参列した人たちがお香を供えて手を合わせる様をぼーっと眺めているだけだったのだが、不思議とその光景が今でも脳裏に鮮明に残っている。

 亡くなった祖父に触れたときはひんやりとしていて、本当に中にあった何かが抜けたようだなと思った。日頃は死とはなんだろう、人に魂はあるのだろうか、なんて考えることもあった。そして、やっぱりこういう実体験というか死を間近に感じるときがあるとなおさら考え込んでしまう。

 父は祖父を見てまるで眠っているようだと言った。しかし僕はそこにあるのは抜け殻みたいにしか見えなかった。息をしていたときの祖父にあった生きるという感じを全く感じることができなかったのだ。

 連綿と受け継がれる遺伝子の波を伝えてくれた祖父。彼の生きた証が僕の身体の中を流れていることを思うとどこか感じたことのない感覚が襲う。むずがゆいような誇らしいような、文章じゃ表現できない。(こういうのを表現できるようにならないと分で食べていくなんて到底無理な話だと思う)