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数奇草

四畳半に魅せられた理系学生の備忘録

第三十夜

 

 天気が優れない日が続いている。雨の日は人が外にあまりいないので僕は好きだ。人のたてる音が雨音で相殺されるし、視界も灰色がかる。つまり、他人の存在が希薄になるのだ。

 

 そして、曖昧でぼやけた世界で独りぼっちの僕は淀んだ空を見上げている。その顎先からは水がしたたり落ちるけれど、それが涙なのか雨なのか僕自身ですらわからない。